会社設立に関連する税務の知識

1.事業年度の決定

 1年を通し、会社としては平均的な資金繰りを目指したいところです。

  • 決算日の翌日から2か月以内に会社は決算書を作成し確定申告を行います。
  • その事業年度に利益を出すことが出来た場合にはその利益額から算出した法人税、住民税を税務署等に納付します。
  • さらに同じ時期におおよそ第3期くらいから消費税の納税も始まります。
  • 人数が10人以下の会社の場合、源泉所得税(給与から天引きした分)の納付は7月と1月となります。

 これらを勘案して、会社が1年を通していつ資金の余裕があるか、またいつが繁忙期になるかをある程度予測しておく必要があります。

2.資本金の決定

  資本金の金額により税金は異なります。


法人税


 資本金1億円以下の会社は税率が優遇されています。

  • 資本金1億以下:所得800万円までは22%、所得800万円超の部分は30%
  • 資本金1億超 :原則30%

消費税


 設立1期目と2期目については期首の資本金が1000万円未満であれば消費税の免税事業者となり消費税を納付する必要はありません。

  3期目以降は前々事業年度の売り上げがおおよそ1000万円を超える場合に納税義務が発生します。


住民税、事業税


  東京都に支払う住民税と事業税はその事業年度に利益が出れば課税され、赤字であればゼロとなりますが、均等割額は別に課されます。これは事業を行ううえでの場所代のようなものです。

<均等割額例:従業員50人以下>

  • 資本金1000万円以下=原則年間7万円
  • 資本金1000万超1億円以下=原則年間18万円

  なお、資本金1億円超の会社は外形標準課税の適用会社となるため、利益額と無関係に課税されてしまう税金(資本割・付加価値割)が増えます。

 他の県や区市町村に事業所を設置した場合はその県、区市町村ごとに課税されます。

3.役員の報酬

 役員報酬と従業員の給与とは、基本的に別と考えなければなりません。

 役員の身内などではない従業員に支払った給料やボーナスはすべて経費となりますので、決算日近くになって、「利益が出ているので、節税のためにボーナスを支給する」ことはOKです。
  しかし役員にボーナスを支給した場合はすべて経費とはならず、節税にならないことに注意してください。

4.税金の基礎知識


法人税


 会社が1事業年度にあげた利益に課税されます。

 利益とは、決算書に計上される利益とイコールではなく、法人税法の規定に沿って計算された利益の原則30%ぐらいと考えておいてください。

 その事業年度が赤字(決算書上利益がマイナス)の場合には法人税はゼロとなります。


消費税


 国に支払う税金です。

 物を売ったときにお客さまから預かった消費税から、物を買ったときに支払った消費税を差し引いた額を国に納付します。

 例えば大赤字の事業年度で、支払った消費税より預かった消費税のほうが小さい場合には差額を国から還付してもらえます。
  ただし、消費税の納税義務がない場合には、還付はしてもらえません。

 納税義務がない場合に自ら納税義務を有することを選択することもできます。

<特例>

 簡易課税制度を使うと消費税の計算方法が上記と異なり、売上高の何%という単純な計算で納税額が決まります。
 この制度を使ったほうが得をする会社と損をする会社が出てきます。

 ただし、この制度を使うためには前もって届出をしなければならず、さらに前々事業年度(基準年度)の課税売上げが5000万円以下である必要があります。


住民税・事業税


 東京都に支払う税金です。

 納税額は法人税同様、利益の大きさに比例します。
 前述のとおり、均等割は利益に関係なく納めなければなりません。


源泉所得税


 国に支払う税金です。

 これは会社が支払いますが、負担するのは社員・役員の方などです。
 毎月従業員や役員に支払う給料から一定額を天引きし、会社が預かり、国に納めるものです。

 毎月預かった源泉税は、翌月10日までに納付しますが、人数が10人未満の会社は半年分まとめて1月〜6月分を7月に、7月〜12月分を1月に納付することが出来ます。
ただし事前に届出が必要となります。

5.青色申告

 事業を開始したら青色申告の承認申請書を設立届けなどと一緒に提出する必要があります。
 提出に期限があるのは青色申告の承認申請で設立日から3か月以内となります。

  青色申告法人は、その事業年度の赤字分(欠損金といいます)を翌年以降の黒字分と通算して法人税の計算をすることが出来ます(7年間を限度に)。

 設立1期目が大赤字の場合には、翌年は黒字でも法人税は納付しないで済む確率が高くなります。