従来の「商法」、「有限会社法」、「商法特例法」を一本化し、平成18年5月1日に施行された新しい法律で、施行当時は「新会社法」と呼ばれていました。
この法律の施行により、従来の有限会社制度は廃止され、会社は株式会社、合名会社、合資会社、合同会社の4つの類型に整理されました。
株式会社の最低資本金規制の廃止、取締役1人の株式会社設立の許容、合同会社の新設等が従来の商法との主な相違点です。
正式には「有限責任事業組合契約に関する法律」といいます。近年、小規模のベンチャー企業が増え「モノ」・「金」を中心とした株式会社という組織ではなく、「ヒト」を中心とした運営自由度の高い組織体が望まれるようになりました。
欧米で活用が進んでいたLLPやLLCなどを参考に、平成17年8月1日、日本でも導入されました。
この法律に基づき設立される組織体は「有限責任事業組合(LLP)」と呼ばれます。
最低資本金規制とは、法律による資本金最低額の規制を言います。
商法、有限会社法時代は、株式会社が最低1,000万円、有限会社が300万円という最低資本金の規制がありましたが、平成18年5月1日施行の会社法により規制が撤廃されました。
LLPにも最低資本金の規制はありません。
ちなみに平成15年2月に導入された「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律」に基づく最低資本金の特例制度も、会社法の施行に伴い廃止されました。
※注
法律上の最低資本金の規制は廃止されましたが、一定の事業を行う際の許認可等の種類によっては一定限度の資本金が要件とされている場合があります。
合資会社は、無限責任と有限責任の2種類の社員が存在する、という特徴を持っています。
したがって、合資会社を設立するには、最低、有限責任社員1人と無限責任社員1人の合計2人が必要となります。1人で無限責任と有限責任社員を兼ねることはできません。
有限責任社員が欠けて無限責任社員のみとなった場合は、その会社は合名会社となる定款変更をしたものとみなされます。
反対に無限責任社員が欠けて有限責任社員のみとなった場合、その会社は合同会社となる定款変更をしたものとみなされます。
ちなみに会社法施行により法人が合名会社や合資会社の無限責任社員となることが認められています。
LLPを設立するには、2以上の個人または法人の組合員が必要です。理由は、LLPは「法人」ではなく「組合」だからです。
「組合」は民法667条に「組合契約」として規定されており、あくまで複数者間での「契約」となります。
単独で契約をすることはできませんので、組合員1人のLLP設立は認められていません。
設立後も、組合員が1人となったことが解散事由となりますが、2週間以内に新たな組合員が加入した場合はそのまま継続が可能です。
出資者の責任とは、会社もしくは組織体が負担する債務の責任を、出資者がどこまで負うかという問題です。
例えば、出資者1人、資本金100万円の会社が債務1,000万円を負って解散するとします。
出資者が有限責任である株式会社の場合は、自分が出資した100万円までしか事業上の責任を負わなくてすみます。(出資者個人で保証している場合を除きます。)
出資者が無限責任の合名会社の場合、会社の資産をもって弁済できないときは、個人の資産で債務の全額を債権者に弁済しなければなりません。
株式会社、LLC、LLPは出資者全員が有限責任の組織体です。
構成員課税制とは、組織自体の利益には課税せず、当該利益が分配された時点で初めて課税される方式のことで、「パススルー課税」とも呼ばれます。
日本の税制では、法人格を有する組織の場合は、組織の利益に対し、まず法人税が課税され、その後利益を出資者に分配した時点でさらに課税されるという二重課税制度が採られています。
LLPは法人格が無いため、法人税が課税されずパススルー課税方式が取られており、これが大きな魅力となっています。
当初LLCもこの方式が採られる予定でしたが、最終的には法人税が課税されることになりました。
損失分配とは、組織の出資者に対し当該組織の事業で生じた損失を分配できる制度で、LLPではこの方式が採用されています。
LLPの出資者は損失の分配が受けられるため、出資者が行うLLP以外の事業で生じた利益とLLPで生じた損失を損益通算し、全体の課税対象額を圧縮することができます。損失の分配は各組合員の出資額が上限となります。
個人組合員の場合は、その事業年度に生じた損失は翌年に持ち越すことができませんが、法人組合員の場合は、翌年以降にも繰り越すことができるため大きなメリットとなっています。
ただし、税金逃れを主な目的としてLLPを利用することはできません。
組織変更とは、一般的には会社の組織形態を変更することを言います。例えば、株式会社からLLC、LLCから株式会社へ形態変更を行う場合がこれに該当します。
かつては、株式会社(いわゆる物的会社)から合名会社等(いわゆる人的会社)への組織変更は認められていませんでしたが、会社法施行で、そのような規制が撤廃されました。
そのため、当初はLLCとしてコストを抑えて会社を設立し、後で株式会社へ組織変更することも可能となりました。
厳密には、会社法上は株式会社から持分会社(合名会社、合資会社、合同会社)への形態変更のみを組織変更と呼び、持分会社間での形態変更は「会社の種類の変更」と呼ばれています。
LLPは、「会社」ではないため、他の組織形態への変更は認められていません。
取締役会設置会社とは取締役3人以上で取締役会を設けている株式会社を言います。
取締役会設置会社は、監査役又は会計参与を置かなければなりません。 取締役会を設置しない株式会社を取締役会非設置会社と言います。
会社法の施行により、取締役1人でも株式会社を設立することができるようになりました。
以前は取締役3人以上が必要条件であったため、全ての株式会社に取締役会が存在していましたが、会社法では取締役会自体を設置するか、設置しないか選択することになります(ただし譲渡制限会社でない合同会社は取締役会を設置しなければなりません)。